「(事実上の)自粛期間」があります。ただし、法律で一律に“決算前は何日間は禁止”と決まっているタイプのものではなく、主に次の2つが理由で 会社が自主的に止める(ブラックアウトを設ける) ことが多い、という整理になります。
法令上の制約:未公表の重要事実を知っていると買えない(インサイダー規制)
上場会社の自己株式取得(自社株買い)でも、会社関係者が未公表の重要事実を把握している状態で買付けを行うと、インサイダー取引規制の問題になり得ます。金融庁・証券取引等監視委員会のQ&Aでも、自己株式取得(信託方式・投資一任方式を含む)の場面で、重要事実との遮断や運用上の配慮が論点になることが明示されています。
JPX(自主規制法人)も、上場会社の行為として自己株式取得を含め、インサイダー未然防止の徹底を促しています。
そのため、実務では「決算発表前は社内に重要事実が溜まりやすい」ので、一定期間は買付けを止める社内ルール(ブラックアウト)が広く使われます。
取引所(自主規制)の“注視ポイント”:決算期末前などは相場操縦の疑いを持たれやすい
JPX自主規制法人のガイドラインは、自己株式取得が相場操縦的に見えないよう留意が必要としたうえで、特に注視する行為形態として、
- 「決算期(四半期を含む)末日以前の5営業日」に、維持的買付け・買上がりなど価格を意識した買付けをしていないか
- ファイナンス期間中に買付けをしていないか
を明記しています。
これが、市場関係者が言う「期末の自粛」につながりやすいポイントです(“全面禁止”ではなく、疑念を招きやすい買い方を避ける趣旨)。
まとめ
会社ごとに差はありますが、典型例は以下です。
- 決算期末(特に四半期末)前の数営業日〜期末(上記ガイドラインの“5営業日”を意識)
- 決算発表前〜発表直後(未公表情報リスクを避ける社内ブラックアウト)
- 増資・売出し等のファイナンス期間中(ガイドラインでも注視対象)